紫外線ケアとは?~nesno(ネスノ)・コラム~

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コラム

紫外線ケアのメリット・デメリット

そもそもなぜ紫外線対策が必要なのでしょうか。
その理由は大きく分けて3つ。

1 )皮膚がんの予防のため
2 )シミの予防のため
3 )肌の老化の予防のため


オーストラリアでは日焼けによる皮膚がんの発生率が世界一で、年間400名以上の方が亡くなり、今でも増加傾向にあるといわれています。これは紫外線のきわめて強い気候に、それほど紫外線の強くないヨーロッパから移民してきた白色人種の人たちに発生リスクが高いと言われています。逆に原住民である黒色人種の人たちは、もともと遺伝的に紫外線を防御するように肌ができているため、皮膚がんの発生リスクは低いと言われています。わたくしたち日本人も決して紫外線に強い遺伝子であるわけではなく、年々紫外線が強くなる環境下では、皮膚がんのリスクも深刻な問題となってきています。

次に美容面での問題「シミ」です。肌は紫外線を受けると表皮がその下の真皮組織にダメージを与えないようにメラニンをつくって日焼けし、紫外線をブロックします。この表皮にできたメラニンは、本来肌の代謝「ターンオーバー」によって、最終的には垢とともに排出されます。ですが、年齢とともにこのターンオーバーが遅く緩慢になってくることによって、すべてのメラニンが排出されず、表皮に残ることでシミになります。そのため、ターンオーバーを早めるピーリングなどによってシミのケアをすることも考えられますが、そもそも日焼けしないことが最も有効なシミケアになるのです。

最後に肌の老化です。実は紫外線によってしわも増えます。これは先ほど表皮が日焼けすることで、真皮組織を守るとお話ししましたが、実際は完全には守りきれず、真皮にダメージを与えてしまうことによっておこります。人の肌の老化には2種類あって、ひとつは年齢による老化です。もう一つは紫外線による老化「光老化」です。例えば20歳の人と40歳の人の腕の内側の肌を見ても、違いはあまりありません。ですが、顔の肌を見るとしわのできかたやハリなど明らかに違いを感じます。それは、腕の内側よりも顔の方が紫外線を浴びる量が多く、光老化が進行しやすいからなのです。

ここまでの話しを考えれば、紫外線防止つまり日焼け止め(サンスクリーン)がいかに重要であることが分かっていただけると思います。ですが、なんとなく漠然と「日焼け止めは肌に悪いもの。」と使うことを躊躇してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。なぜ「日焼け止めが肌の負担になる」とも言われているのか。その理由は日焼け止めに多く使われる「紫外線吸収剤」という成分にあります。

日焼け止めの効果のある成分には大きく分けて「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」と呼ばれるものがあります。「紫外線吸収剤」は紫外線を吸収して熱エネルギーに変換して放出し、肌に紫外線を到達させない働きをします。ただ、この「紫外線吸収剤」は紫外線によって分解されると肌に刺激の強い物質となってしまい、かゆみや肌荒れを起こしてしまうといわれています。また、熱エネルギーに変換することから、その熱によって肌の水分が蒸発してしまい、乾燥させてしまうとも言われています。

日東電化工業株式会社 ヘルスケア事業部
ネスノ開発責任者 茂田正和
紫外線と上手につきあう 群馬大学大学院医学系研究科皮膚科 石川治教授