下地やファンデーションを塗った後の仕上げとして使われるパウダー。パウダーにはルースタイプ、プレストタイプといった種類がありますが、メイク崩れを防ぐという目的においてはいずれかのパウダーを使ったほうが良い、といえます。但し、パウダーは使い方によって仕上がりの善し悪しをかなり左右するアイテムでもあるので、使い方のポイントをきちんとおさえましょう。
まずパウダーがつき過ぎてしまうと、乾燥肌やしわっぽさが助長されてしまいます。また粉質によっては、光の反射の仕方がかなり変わるので仕上げた時のほうれい線の見え方などが変わってきます。自然でツヤっぽい肌に見せたい時は、基本的にはパウダーをのせる場所を最小限に留めます。その場合、のせるべき場所は、目の下(アイラインのにじみを抑えるため)と、テカリやすいTゾーンのみです。
つけすぎを防ぐコツは、パウダーを取ったパフを軽くもみこみ、粒子をパフ全体に行き渡らせること。順番も大切です。最初はテカリやすいTゾーンからおさえ、顔全体につける場合は、顔の中央から輪郭へ徐々にパフを移動させます。粉っぽく見せないもうひとつのコツは、粒子の細かなパウダーを選ぶこと。顔にのせて試せない時は、パウダーをまずは手の甲にのせてみて、肌がキメ細かく見えるかどうか、毛穴の隠れ具合はどうかなどを見極めましょう。
大人の女性には、肌のくすみやほうれい線の影をナチュラルに飛ばしてくれる極小のパールが入っているパウダーがおすすめです。パールの粒子が大きかったり、配合量が多過ぎてキラキラ感が強いものは、しわっぽさやキメの粗さ、毛穴が余計に目立ってしまうことが多いので避けるのが無難です。パール感の強いパウダーで顔全体を仕上げた場合、明るくは見えてもそのメタリックな印象によってかえって顔のサイズを大きく見せてしまうリスクが高まります。
きちんとした印象の肌に見せたい時は、パフを使って顔全体をおさえるようにのせるときめ細かく粒子が密着して端正なセミマット肌になります。カジュアルな素肌っぽさに近づけたい時は大きめのフェイスブラシにパウダーを含ませ、手の甲の上などで余分な粒子を払ってから、ごく薄いヴェールをまとうようにのせると、軽さ、薄さを感じさせるシアーな肌になります。
肌を若々しく見せるにはパウダーをどう使えば良いでしょう? 多くのメイクアップアーティストは、年齢を重ねた肌にこそツヤっぽいパウダーをできるだけ薄く使います。シミや毛穴は、下地、ファンデーション、コンシーラーを使い分けてカバーします。毛穴、シミ、シワをパウダーやパウダーファンデーションだけで隠そうとすると、厚ぼったさが目立ってしまう上に、しわ部分が地割れを起こしたように崩れるなど、いっそう老けた印象に見えてしまうからです。
補足として、シワっぽさを目立たなくするには、実はスキンケアの段階も非常に重要です。手厚い保湿とツヤっぽいパウダーを薄くのせることで、粉っぽさをできうる限りおさえれば、いきいきとした-5歳肌も夢ではないのです。
化粧崩れを防ぐためにパウダーを使っても、やはり湿度が高い時期や乾燥が激しい時期、長時間経てば汗や皮脂の分泌などによってもお化粧が少しずつ崩れ来ます。お化粧崩れの直し方は、崩れの傾向やその段階に応じて変える必要があります。
春夏に多い、皮脂や汗によるオイリー崩れについては以下の方法を参考に行ってみてください。汗がじんわりにじんだり、一筋だけたれてきたときは、完全にメイクをぬぐわなくてもその部分のメイクを指でおさえてならせば大丈夫です。また、あぶら取り紙は皮脂の吸収率が良いため、使いすぎると皮脂の分泌がいっそう増してしまいます。皮脂の過剰分泌を防ぎたい場合はティッシュで軽くおさえるのがおすすめです。
もし、テカった部分の下地やファンデーションがヨレて毛穴が目立ってしまっている場合は、その部分をティッシュでおさえるのではなく軽く拭い、ゲルや美容液、乳液などの保湿剤をなじませてキメを整えてから、少量の下地やファンデーションを軽くたたき込むようになじませて、パウダーでおさえます。
空気の乾燥、肌荒れによる乾燥などによって、粉がふいたような崩れが気になる部分はメイクを一度ぬぐって素肌の状態からお直しを。ひとテマかかってはしまいますが、肌が乾いたままのせてしまうと下地やファンデーション、パウダーもダマになってしまって“お直し”が成立しなくなってしまいます。化粧水をふくませたコットンをジップロックに入れておく、ゲルや乳液を小さなボトルに分けてポーチに入れておくとお直しも手早く済むと思います。
夕方になって皮脂と混ざっても、ヨレにくい、肌色がくすまないなど“時間が経った時の崩れ方のキレイさ”もベースメイクにおける重要キー。カバー力を担う酸化鉄といった成分は、そのまま配合されていると皮脂の酸化を誘発して肌トラブルにつながるといわれています。このような成分をきちんとコーティングして配合しているかどうか、そんな成分的な配慮についてもぜひお買い物時の指針にしてみてくださいね。